モニターアームを購入したものの、「どうやって取り付ければいいの?」「失敗しないか不安…」と感じていませんか?ネジや工具が多くて難しそうに見えるモニターアームの取り付けですが、手順を正しく理解すれば初心者でも20〜30分程度で完了できます。ただし、事前の確認を怠ると「取り付けられなかった」「デスクに合わなかった」という失敗につながりやすいのも事実です。
この記事では、クランプ式・グロメット式・壁掛け式それぞれの付け方を手順ごとに詳しく解説します。VESA規格の確認方法や、取り付けられない場合の対処法、設置後の調整方法まで網羅しているので、初めての方でもスムーズに作業を進められます。
- VESA規格・耐荷重・デスク条件の事前確認ポイント
- クランプ式・グロメット式・壁掛け式の方式別取り付け手順
- VESA非対応モニターや取り付けられないデスクへの対処法
- 張力調整・ケーブル配線・安全確認など設置後にやること

モニターアームの付け方を方式別に解説
モニターアームの取り付け方には複数の方式があり、デスクの環境によって適した方法が異なります。まず事前に確認すべきポイントを押さえたうえで、各方式の手順を確認しましょう。
取り付け前に確認するVESA規格と耐荷重の見方
モニターアームの取り付けで最初に確認すべきことがVESA規格と耐荷重の2点です。この2つが合っていないと、購入後に取り付けできないという失敗につながります。

VESA規格の確認方法
VESAとは「Video Electronics Standards Association」の略で、モニターアームとモニターのネジ穴位置を統一した国際標準規格です。モニター背面に正方形状に並んだ4つのネジ穴があれば、VESA規格対応のサインです。現在日本で販売されている液晶モニターの90%以上がこの規格に対応しています。
| VESA規格サイズ | 対応モニターサイズ目安 | 確認方法 |
|---|---|---|
| 75mm×75mm | 〜24インチ程度 | モニター背面の表記・取扱説明書 |
| 100mm×100mm | 24〜32インチ程度 | モニター背面の表記・取扱説明書 |
| 200mm×100mm | 大型モニター一部 | メーカー公式スペック表 |
| 200mm×200mm | 大型モニター・テレビ | メーカー公式スペック表 |
モニター背面に「VESA基準」「VESA100×100」などの表記があるか、または取扱説明書のスペック欄を確認しましょう。VESA規格対応であれば、メーカーを問わず対応するモニターアームを取り付けることができます。
耐荷重の確認方法
モニターアームの耐荷重がモニターの実重量に適しているかも必ず確認します。重量が耐荷重を超えると安定性が損なわれ、モニターが垂れ下がる原因になります。モニター重量+1〜2kgの余裕を持った耐荷重のアームを選ぶのが安全です。
取り付け前の事前確認チェックリスト
・モニターのVESA規格サイズ(75×75 / 100×100 等)
・モニターの重量(カタログ・背面シールで確認)
・アームの耐荷重(モニター重量+1〜2kg以上の余裕)
・デスク天板の厚さ(クランプ式は10〜60mm程度が目安)
・天板の素材(ガラス・ハニカム構造は取り付け不可の場合あり)
・必要な工具(ドライバー・付属の六角レンチ)の確認
クランプ式モニターアームの付け方と手順
クランプ式はデスク天板の端に挟み込んで固定する最も一般的な方式です。穴を開けずに設置でき、取り外しや移動も容易なため、初めてモニターアームを取り付ける方に最もおすすめです。設置時間の目安は20〜30分程度です。
クランプ式の取り付け手順

STEP1:補強プレートをデスクに当てる(推奨)
クランプと天板の間に補強プレート(大プレートを上面・小プレートを裏面)を挟むことで、天板への傷・歪みを防ぎ、安定性が向上します。
STEP2:クランプをデスク端に仮置き
取り付けたい位置にクランプを仮置きします。デスク端から少し内側に設置すると安定性が増します。天板裏の補強フレーム・幕板に干渉しないか確認しましょう。
STEP3:クランプのネジを締めて本固定
上下のパーツで天板を挟み、手でネジを回して仮固定した後、付属の六角レンチでしっかり本締めします。仮止めのまま次の作業を進めると落下リスクがあるため、必ず本締めを行いましょう。
STEP4:ポール(支柱)をクランプに差し込み固定
ポールをクランプのソケット部分に差し込み、付属のネジで固定します。ポールが垂直になっているか確認してください。
クランプ式が使えないケース
・ガラス天板や極端に薄い天板(10mm未満)
・天板の縁がR加工や斜めカットされているデスク
・天板裏の補強フレーム・幕板にクランプが届かないデスク
・IKEAのLINNMON等ハニカム構造天板(強く締めると破損リスク)

グロメット式モニターアームの付け方と手順
グロメット式は天板に穴を開けてポールを通し、ボルトで固定する方式です。クランプ式より安定感が高く、重量のあるモニターや大型モニターに特に有効です。設置位置の自由度が高い点もメリットですが、穴あけが必要なため後戻りできない点を理解したうえで選択しましょう。

グロメット式の取り付け手順
STEP1:穴あけ位置を決める
天板のどこに穴を開けるか慎重に決めます。既存の配線穴(直径6cm程度のグロメット穴)がある場合はそれを流用できるため、穴あけ不要のケースもあります。
STEP2:天板に穴を開ける
必要な穴径はアームにより異なりますが、直径20〜51mm程度が一般的です(エルゴトロンLXの場合:8〜50mm径対応)。電動ドリル+ホールソー、または手動工具(ミニピット等)で穴を開けます。
STEP3:グロメット金具を穴に通して固定
ポールを穴に通し、天板の上下からボルトを締めて固定します。水平が出ているか確認しながら均等に締め込みましょう。
多くのモニターアームはクランプ・グロメット両対応です。まずクランプ式を試してみて、安定性が不十分な場合やクランプが使えないデスクの場合にグロメット式を検討する流れがおすすめです。
壁掛け式モニターアームの付け方と注意点
壁掛け式は壁に直接ブラケット(マウント)を固定する方式です。デスク上のスペースをまったく取らず、タイピングの振動がモニターに伝わらないため揺れが最も少ない点が特徴です。
壁掛け式の取り付け手順
STEP1:壁の下地を探す
下地チェッカー(ホームセンター・100均で購入可)を使って壁の柱・間柱の位置を特定します。石膏ボードのみへのネジ止めでは強度が不足し、モニター落下の危険があります。
STEP2:ブラケットの取り付け位置をマーキング
VESAに合わせたブラケットの位置を鉛筆でマーキングします。水平器を使うと正確に位置決めできます。
STEP3:ブラケットをネジで壁に固定
下地の位置にネジを打ち込み、ブラケットをしっかり固定します。
STEP4:アームとモニターを取り付け
アームをブラケットに取り付けた後、モニターを装着して角度を調整します。
壁掛け式の注意点
・賃貸物件では壁への穴あけが原則禁止。管理会社に事前確認を
・石膏ボードのみへの固定は落下リスクあり。下地への固定が必須
・ラブリコ・ディアウォール(突っ張り柱)を使えば壁に穴を開けずに実現可能
モニターへのVESAプレート取り付けとスタンドの外し方
デスクへのアーム固定と並行して行う作業が、モニターへのVESAプレート(マウントプレート)取り付けです。どの固定方式でも共通の手順です。
スタンドの外し方
モニターを柔らかい布・タオルなどの上に画面を下にして置きます(画面の傷防止)。スタンドとモニター本体の接続部分を確認し、プラスドライバーでネジを外します。ロック機構の場合はボタンを押しながら引き抜きます。外したスタンドとネジは、将来の再使用に備えて必ず保管しておきましょう。

VESAプレートの取り付け方
モニター背面のVESA穴(4箇所)を確認します。VESAプレートをネジ穴に合わせてセットし、付属のネジ(M4サイズ・10mm〜12mmが一般的)で対角線上に均等に締めます。締めすぎるとモニターを破損する恐れがあるため注意が必要です。手でしっかり固定できていればOKです。
スタンド取り外し・VESAプレート取り付けのコツ
・モニターは必ず画面を下にして柔らかい布の上に置く
・ネジは対角線上に少しずつ均等に締める(一箇所を一気に締めない)
・ネジの締めすぎに注意。手でしっかり固定できる強さでOK
・外したスタンドとネジは必ずセットで保管する
モニターアームが付けられないときの対処法と設置後の調整
事前確認をしていても「取り付けられなかった」というケースが起こることがあります。また取り付け後の調整も重要です。ここでは対処法と設置後の確認事項を解説します。
VESA非対応モニターへの対処法と変換アダプターの使い方
「購入したモニターのVESA穴がない」「VESA非対応だった」という場合でも、諦める必要はありません。以下の方法で対処できます。
方法1:VESAマウントアダプター(機種専用タイプ)
モニターの標準スタンドベースを取り外し、モニターの機種に対応した専用VESAマウントアダプターを装着する方法です。アダプターにVESA規格のネジ穴が追加され、モニターアームに接続できるようになります。代表的なブランドはHumanCentricやVIVOで、DELL・ASUS・HP・Samsung・BenQ等の機種向けに展開されています。
エレコム、ERGOTRONなどのブランドもVESAマウントアダプターを展開しています。
エレコム クイックリリース式VESAブラケット
左右90度回転するモニターアームに対応しており、モニターの機能をそのまま活かせます。 縦置きにしてコーディングや文書作業をする方にも安心して使えます。
購入前に確認しておきたい注意点
- モニターアーム本体は別売りです。
- VESA規格(75mm×75mm・100mm×100mm)に準拠したモニターに対応しています。 お手持ちのモニターのVESA規格を事前にご確認ください。
- VESAマウントにくぼみがあるモニターの場合、付属のスペーサーでは対応できないケースがあるため、モニター背面の形状も確認しておくと安心です。
エルゴトロン クイックリリースブラケット
複数の場所でモニターを使い回したい方、デスクの模様替えが多い方、そんな悩みをスパッと解決してくれるのが、エルゴトロンの クイックリリースブラケットです。
方法2:無VESA穴調節器アダプタ(汎用タイプ)
モニターの両サイドを爪で挟んで固定し、中央にVESA穴を後付けするタイプです。型番を問わず汎用的に使えるのが最大のメリットです。
主な汎用タイプのVESAアダプター
Suptek WK002:13〜27インチ対応・耐荷重8kg・2,000円程度
エレコム モニターマウントホルダー:13〜27インチ・厚さ26.5〜60mm対応・2,000円程度
・注意:モニター正面に爪部分が少し見える場合あり。27インチ超は対応製品が限られる
どちらの方法も、モニターの重量や形状に対応しているか確認することが重要です。無理に取り付けるとモニター本体を破損する恐れがあるため、必ず適合品を選びましょう。
取り付けができないデスクへの対処と代替方法
デスクの形状や素材によってクランプ式が使えないケースがあります。状況別の対処法を確認しましょう。
幕板・補強フレームに干渉する場合は、グロメット式への変更が最も効果的です。既存の配線穴を活用できれば穴あけ作業も不要です。天板が薄すぎる・ハニカム構造の場合は、補強プレートを使用してクランプの圧力を分散させる方法があります。それでも不十分な場合は天板交換またはグロメット式への変更を検討しましょう。
ガラス天板のデスクはクランプ・グロメット式どちらも基本的に取り付け不可です。壁掛け式またはスタンド式(置き型)への変更を検討しましょう。賃貸で壁に穴を開けられない場合は、ラブリコやディアウォールといった突っ張り柱システムを使えば、壁に穴を開けずに柱を立てて壁掛け式アームを設置できます。

モニターを装着後に行う張力調整とケーブル配線の手順
モニターをアームに取り付けたら、使いやすい状態にするための調整と配線作業を行います。
張力(保持力)の調整
モニターアームの張力は、モニターを任意の位置で止められる強さが適正です。エルゴトロンLXを例に調整箇所を確認しましょう。
エルゴトロンLXの調整箇所(六角レンチ使用)
・上下昇降調整:アーム内部のネジを調整。時計回り=持ち上げる力が強くなる
・チルト(上下角度)調整:モニター裏の首関節のネジ穴で調整
・アーム関節の回転抵抗:各関節のネジを締める=抵抗強、緩める=抵抗弱
・調整のコツ:必ずモニターを取り付けた状態で行う
ケーブル配線の手順
ケーブルはアームの可動に対応できるよう、最低1.0m、推奨2.0m以上の長さを確保します。アームに付属のケーブルクリップやホルダーを使ってスッキリまとめましょう。結束バンドは緩めに締め、モニターを動かしたときにケーブルが引っ張られないよう余裕を持たせます。エルゴトロンLXはアーム内部にケーブルを通せるルートがあり、配線をスッキリまとめられます。配線後はモニターを実際に動かして、ケーブルに余裕があるか必ず確認しましょう。

取り付け後の安全確認と定期メンテナンスのポイント
モニターアームの取り付けが完了したら、最後に安全確認を行います。この確認を怠ると、後からモニターが落下するリスクがあります。
設置後の安全確認チェックリスト
・クランプ・VESAプレート・アーム関節の全ネジが締まっているか
・モニターを上下左右に動かしてスムーズに動くか
・モニターが任意の位置でしっかり止まるか(張力が適正か)
・モニターを軽く押して大きく揺れないか
・ケーブルに余裕があり引っ張られていないか
設置後1〜2週間は部品が馴染む時期のため、ネジが緩みやすくなります。この時期に初回の増し締め点検を必ず行いましょう。その後は3〜6ヶ月ごとに全ネジの締め直しを習慣にすることで、長期間安定して使い続けることができます。
モニターアームの付け方でよくある疑問まとめ
モニターアームの取り付けに関してよく寄せられる疑問をまとめます。
取り付けに何分かかる?
クランプ式で1台のシングルモニターの場合、初心者でも20〜30分程度が目安です。工具の準備・スタンド取り外し・アーム固定・張力調整・ケーブル配線を含めた時間です。
一人でできる?
基本的には一人でも可能です。ただしモニターが7kg以上の重量になる場合は2人での作業が推奨されます。エルゴトロンHXはアームとアーム受けが分離構造のため、1人での装着が比較的しやすい設計です。
スタンドを外したら元に戻せる?
外したスタンドとネジを保管しておけば元に戻せます。傷をつけないよう丁寧に外して、ネジと一緒にセットで保管しましょう。
ネジのサイズは?
VESAマウントで使用されるネジはM4サイズ(M4×10mm または M4×12mm)が標準です。ほとんどのモニターアームに付属しているため、別途購入が必要になるケースはほぼありません。
ノートパソコンやテレビへの取り付けも可能です。ノートPCは専用のノートPCトレー付きモニターアームを使用し、テレビはVESA規格対応のモデルであれば取り付け可能です。ただしテレビは重量があるため、耐荷重の大きいモデルを選ぶ必要があります。

