「モニターアームを買おうと思ったら、ガス式とスプリング式があって違いがよくわからない」「ガス式はガスが抜けると聞いたけど、本当に大丈夫なのか不安」——そんな疑問を感じていませんか?
モニターアームにはいくつかの種類がありますが、現在の主流はガス式です。軽い力でスムーズに動かせる操作性と、デスクまわりをすっきりさせられる利便性が支持されています。一方で、ガス抜けによる寿命の問題や、選び方を間違えると思わぬトラブルが起きることも事実です。
この記事では、ガス式モニターアームの仕組みや特徴をわかりやすく解説し、購入前に知っておきたい選び方のポイントまで丁寧にまとめています。初めてモニターアームを購入する方にも、買い替えを検討している方にも役立つ内容です。
- ガス式モニターアームの仕組みとメリット・デメリット
- スプリング式との違いと向いている使い方
- ガス抜けの寿命と長持ちさせるコツ
- 予算別おすすめ製品と失敗しない選び方
モニターアームのガス式とは何か特徴を解説
まずはガス式モニターアームの基本的な仕組みと、他の方式との違いを理解しておきましょう。仕組みを知ることで、購入後のトラブルを防ぎ、正しい使い方ができるようになります。
ガス式とメカニカルスプリング式の違い
モニターアームには大きく分けて「ガス式(ガススプリング式)」と「メカニカルスプリング式(バネ式)」の2種類があります。どちらもモニターの重さを支えるための機構ですが、その原理は異なります。
ガス式は、アーム内部のシリンダーに高圧の窒素ガスとオイルを封入し、ガスの反発力でモニターの重さを打ち消す仕組みです。ストローク全域でほぼ一定の反力が得られるため、軽い力で滑らかにモニターを動かせます。
メカニカルスプリング式は、金属のコイルバネの反発力を利用します。構造がシンプルで壊れにくく、ガス抜けの心配がないのが強みです。ただし、ガス式に比べて動かす力がやや必要で、動作時に「カチカチ」と音が出ることもあります。

| 比較項目 | ガス式 | メカニカルスプリング式 |
|---|---|---|
| 操作感 | 軽くて滑らか | やや力が必要 |
| 静音性 | 高い | 音が出ることがある |
| 耐久性 | ガス抜けリスクあり | 長寿命 |
| 温度の影響 | 受ける | ほぼ受けない |
| 価格帯 | やや高め | 比較的安価 |
頻繁にモニターの高さや角度を変える方にはガス式が向いており、一度設置したらほとんど動かさない方にはメカニカルスプリング式でも十分です。
なお、エルゴトロンのLXシリーズは「コンスタント・フォース技術」と呼ばれる独自のコイルスプリング機構を採用しており、ガス式でもメカニカル式でもありません。ガス式と同等の滑らかな操作感を持ちながら、ガス抜けのリスクがなく10年保証が付いています。
ガス式のメリットと操作性の高さ
ガス式モニターアームの最大の魅力は、指一本で動かせるような軽い操作感です。カウンターバランス構造によってモニターの重さが打ち消されるため、上下・左右・前後のあらゆる方向へ無段階で自由に調整できます。
主なメリットをまとめると以下のとおりです。
- 片手で軽く動かせる滑らかな操作性
- 無段階調整で好みのポジションに合わせやすい
- 動作音がほとんどなく、静かな環境に最適
- デスク上のスペースを広く使えるようになる
- モニターを理想の目線高さに設定でき、首・肩の疲労軽減につながる
座り作業から立ち作業への切り替えや、オンライン会議のたびにモニターの距離を変えたいという方にとって、ガス式の操作性は大きなメリットになります。また、ほとんどの製品がケーブル収納機能を備えており、デスクまわりをすっきりと整えられる点も人気の理由のひとつです。

ガス式のデメリットとガス抜け問題
ガス式モニターアームには、押さえておくべきデメリットもあります。最も知っておきたいのが「ガス抜け」の問題です。
ガス式のシリンダー内部はゴム製のシール材でガスを密封していますが、このシール材は時間とともに劣化します。風船がゆっくりしぼむように、数年かけてガスが少しずつ抜けていきます。ガスが抜けると保持力が低下し、モニターが勝手に下がってくるようになります。
ガス抜けが起きても、シリンダーへのガスの再補充は構造上・安全上の理由から基本的に不可能です。症状が出た場合はアームの買い替えが必要になります。保証期間内であればメーカーへの相談が有効です。
その他のデメリットとしては、次のような点が挙げられます。
- メカニカルスプリング式より価格がやや高め
- 低温環境ではガス圧が低下して保持力が弱まることがある
- 対応する最低荷重が設定されており、軽すぎるモニターではアームが跳ね上がる
- 設置後にガス圧(テンション)の調整が必要

ガス式の寿命はどれくらいか
ガス式モニターアームの寿命は、製品の品質や使い方によって大きく異なります。一般的な目安としては、安価な製品で1〜2年、中品質の製品で3〜5年、高品質な製品で5〜10年程度とされています。
ユーザーの実際の声を見ると、「5〜6年は問題なく使えている」という意見が多く見られます。突然ガスが抜けることは少なく、数年かけてじわじわと保持力が落ちていくことがほとんどです。
ガス式の寿命を延ばすために意識したいポイント:
- ストロークの限界まで頻繁に引き出すのを避ける(端から10mm余裕を残す)
- ピストンロッドに傷や汚れをつけない
- 急激に動かさない
- 適切な荷重バランスを保つ(テンションをこまめに調整)
- 極端な高温・低温環境での使用を避ける
長期使用を前提とするなら、保証期間の長いメーカーの製品を選ぶことも重要です。エルゴトロンのLXシリーズは10年保証、TRACEシリーズは15年保証を設けており、万が一の際も安心感があります。

ガス圧調整のやり方と設置時の注意点
ガス式モニターアームを購入したら、必ずガス圧(テンション)の調整を行いましょう。出荷時は強めに設定されていることが多く、調整なしではアームが跳ね上がったり思うように動かなかったりすることがあります。
ガス圧調整の基本手順
- モニターをアームに取り付けた状態で行う(未装着のまま調整しない)
- 付属の六角レンチで、アームの関節部にある調整ネジを回す
- アームが下がる場合は「+方向」に回して保持力を強める
- アームが勝手に上がる場合は「−方向」に回して保持力を弱める
- 任意の位置でアームが静止するまで少しずつ微調整する
調整ネジの位置や向きは製品によって異なります。付属の取扱説明書をよく確認してから作業してください。また、大型モニターの取り付けは一人では危険なことがあるため、二人以上で作業することをおすすめします。
設置時には、デスクの天板との相性も重要です。クランプ式の場合、天板の厚みが対応範囲内か事前に確認しましょう。また、パーティクルボードや空洞ハニカム構造のデスクは強度が低く、クランプの圧力で破損するリスクがあるため、補強プレートの使用や別のデスクへの変更を検討してください。

ガス式モニターアームのおすすめと選び方
ガス式モニターアームを選ぶ際に確認すべきポイントと、予算・用途別の代表的な製品をまとめました。購入前にこのセクションをチェックして、後悔のない選択をしましょう。
耐荷重とVESA規格の確認ポイント
モニターアームを選ぶ際に最初に確認すべきことは、モニターの重さとVESA規格です。この2点を間違えると、取り付け自体ができなかったり、アームが正常に機能しなかったりします。
耐荷重の確認方法
モニターの重量は、スタンドを外した状態の本体重量で確認します。スペックシートや商品ページの「本体質量」や「重量(スタンド除く)」の数値を参照してください。アームの耐荷重範囲の上限だけでなく、最低荷重(下限)も確認することが重要です。モニターが軽すぎると、ガス反発力でアームが跳ね上がってしまいます。
一般的な目安として、27インチのモニターは4〜6kg前後、32インチは6〜8kg前後のものが多いです。耐荷重には1〜2kgの余裕を持たせて選ぶと安心です。
VESA規格の確認方法
VESA規格はモニター背面のネジ穴の間隔を表す国際規格です。最も一般的なのはVESA100(100×100mm)で、多くのモニターアームが対応しています。小型モニターではVESA75(75×75mm)の場合もあります。
モニターの仕様ページで「VESAマウント」や「FDMI」の項目を確認してください。VESA非対応のモニターでも、変換アダプターを使えば取り付けられる場合があります。

クランプ式とグロメット式の違い
モニターアームのデスクへの取り付け方式には、大きく「クランプ式」と「グロメット式」があります。自分のデスク環境に合わせて選びましょう。
クランプ式はデスクの天板端を上下から挟み込んで固定する方式です。穴あけ不要で設置・取り外しが簡単なため、最も広く使われています。ただし、設置位置がデスクの端に限られること、天板裏に引き出しや補強バーがあると干渉して取り付けられない場合があります。対応天板厚は製品によって異なり、一般的に10〜60mm程度です。
グロメット式はデスクの天板に穴を開けてボルトで固定する方式です。クランプ式より安定感が高く、天板中央への設置も可能です。一方で、穴あけが必要なため賃貸物件には不向きで、設置位置の変更も難しくなります。
迷った場合はクランプ式が無難です。デスク裏のスペースを事前に確認し、幕板や補強バーがないかチェックしておきましょう。ガラス製の天板にはクランプ式・グロメット式ともに使用できません。

デュアルモニター対応のガス式アーム
2台のモニターを使いたい場合は、デュアル対応のガス式モニターアームが便利です。1本の支柱から2本のアームが分岐する構造で、シングルアーム2本よりも設置ポイントが1箇所で済むため、デスクをすっきりさせられます。
デュアルアーム選びで特に注意したい点は以下のとおりです。
- 天板の強度:2台分のモニター重量が1箇所のクランプに集中するため、補強プレートの使用を検討する
- 各アームの耐荷重:総耐荷重と1本あたりの耐荷重を混同しないよう注意
- 2台のモニターサイズ:同じサイズのモニターを2台使うと重量バランスが安定しやすい
代表的なデュアルガス式モニターアームとしては、サンワサプライのCR-LAC2405BK(約12,000円)、ErGearのデュアルアーム(5,000〜8,000円)、HUANUOのデュアルアーム(5,000〜7,000円)などが人気です。シングル2本のほうが配置の自由度が高いという意見もあるため、設置環境に応じて検討してみてください。
低価格帯:ガス式でコスパの高いおすすめ製品
「できるだけ費用を抑えてガス式モニターアームを試してみたい」という方のために、コストパフォーマンスの高い製品を紹介します。
3,000〜5,000円台のコスパ重視モデル
HUANUO WY-Jは、Amazonでベストセラーを獲得するほど人気の高い中国メーカーの製品です。17〜27インチ・耐荷重2〜6.5kgに対応し、クランプ式・グロメット式の両方に取り付け可能。前後方向の動きが滑らかと評判で、実売3,000〜4,000円という価格でガス式を体験できます。
Amazonベーシック(ガス式)DS-MADSBEは、アルミ素材を採用した見た目の良さが特徴です。最大27インチ・7kg対応で、実売4,200円前後。天板厚10〜100mmと幅広いデスクに対応しています。ただし、スイベル角が90°とやや狭めな点は注意が必要です。
グリーンハウス GH-AMDJ1-BKは日本メーカーの製品という安心感があり、17〜27インチ対応のガス圧式4軸アーム。3,000〜6,000円の価格帯でコスパ重視の方に支持されています。
中価格帯:失敗したくない人向けの「定番・バランス型」
6,000〜10,000円台のバランスモデル
サンワサプライ CR-LAC1405BKは価格.comの売れ筋ランキング上位の定番製品で、13〜32インチ・2〜8kgに対応。薄型クランプ設計でデスク裏の干渉が起きにくい点が評価されています。実売約6,600円。
Pixio PS1Sはホワイトを含む豊富なカラー展開が特徴で、17〜32インチ・耐荷重9kgに対応。インテリアにこだわりたい方にもおすすめです。実売約8,980円。
高価格帯:こだわりがある人向けの「至高・投資型」
サンワダイレクトのデュアルモニターアーム(ガス圧式・100-LA025)※2万円前後の高品質モデル
2枚のモニターを自由自在に配置。デスクの作業効率を最大化する、ガス圧式デュアルアーム。2枚分の大きなスタンドがなくなるため、デスクの専有面積が最小限に。アームにはケーブルホルダーも付いており、配線が目立たず清潔感のあるデスク環境を構築できます。左右のモニターを独立して動かせるため、横並びはもちろん、片方を縦画面にしたり、上下に近い形で配置したりと、用途に合わせた最適なワークスペースが作れます。
価格重視で選ぶ場合でも、レビュー数が多くAmazonや価格.comでの評価が安定している製品を選ぶことをおすすめします。製品は価格が変動するためAmazonで直接ご確認ください。
まとめ:ガス式モニターアームの選び方と注意点
ガス式モニターアームは、軽い力でスムーズにモニターを動かせる操作性の高さが最大の魅力です。在宅ワークやゲーム環境の快適化に大きく貢献してくれます。一方で、ガス抜けによる寿命の問題や、設置時の相性確認が必要な点は事前に把握しておきましょう。
購入前に確認すべきポイントを最後に整理します。
- モニターの重量(スタンド除く)がアームの耐荷重範囲内か:上限だけでなく下限も確認する
- VESA規格が一致しているか:75×75mmまたは100×100mmが一般的
- デスクの天板厚・素材・裏面の構造:クランプが干渉しないか確認する
- 設置後にガス圧(テンション)の調整が必要:六角レンチで微調整する
- ガス式の寿命は3〜10年程度:長期使用を前提とするなら保証が長い製品を選ぶ
コスパを重視するなら3,000〜6,000円台のHUANUOやグリーンハウス、品質と耐久性を重視するなら2万円以上のサンワサプライが候補になります。自分の用途と予算に合わせて、最適なガス式モニターアームを選んでみてください。

